無邪気な声色で奏でられるのは正常から一歩外れた言葉の数々。生命すら委ねて、その恋に溺れてみたい。サークル「アールグレイ 」の新作はドキドキご奉仕ディスクシリーズの最新作「フランドール・スカーレットのドキドキご奉仕ディスク2」です。
フランドール・スカーレットの声優さんは丹下桜さん。これだけでもう「買わなきゃあかん!」ってなったことの多いことはもう想像に難くないですね。もちろん、フランドール・スカーレットが好きという当然の理由で買いに走る人も多いでしょう。それほどまでにとにかく売れる素質を持った作品です。
しかし、素質こそあれど必ずしも売れるとは限らない。気になっているのに手を出せない3つの理由。それを推測するならこれでしょう
2.フランドール・スカーレットの設定やストーリーはどんななの?
3.お値段が……
作品自体はとっても気になっているのに、どうしても宣伝されてないことが多すぎて踏み切れない。いやいや、気になったんだから、ちょっと冒険してみようよ。心のうちでそう思っても高くそびえるお値段の壁。
はてさて、これらを解決するもっともよい言葉は何なのか。答えはとても簡単です。前作未プレイ、原作も聞きかじった程度の筆者ですらとても楽しめた作品ということ。さあ、これでお悩み解決…… ってそんなわけないですよね。やはりもっと詳しいことを知りたい。それならレビューへどうぞ。踏みとどまることが間違っていることに気づけるのではないでしょうか。
フランドール・スカーレットのドキドキご奉仕ディスク2(ボーナストラック!!)
CV:丹下桜
サークル:アールグレイ
タグ:メイド
◆収録時間 44:26
この作品のココがいい!!
- 丹下桜さんが演じるフランドール・スカーレットは可愛らしいだけじゃない。複雑な感情を表現した味わい深さは何度聞いてもいい
- キャラクター性と設定を十分に生かしつつ、独自の世界を描いています
- 禁断の少女との恋になら命すら委ねて溺れたくなること必至でしょう
「わたしの恋は、あなたを支配する恋だったんだ」
フランドール・スカーレット(EG)とのご奉仕(?)再び!
命をかけた吸血鬼少女との交流は、ご奉仕というより、遊戯?
閉ざされた部屋でのやりとりは、すべてバイノーラルで収録!
禁断の少女が辿る恋の行方を、ぜひ見届けてください。
◆トラックリスト
1:こんなことを考えるの、おかしいよね?(Voice)
2:したいようにすればいいんじゃないかな(Voice)
3:それでも一緒にいたいって思ってくれる?(Voice)
◆ これってどんな作品なの?


















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◆ 踏みとどまる気持ちを解決できる3つの理由
ジャケットイラストのフランドール・スカーレットはとても可愛らしくて目を惹きます。声優さんはなんと丹下桜さんということでこれまた興味が出てきます。更には作品紹介での「わたしの恋は、あなたを支配する恋だったんだ」という文言でガッツリと心を鷲掴みにしてきます。
さあ、ここまできたら早速購入…… といいたいところですが、いくら勢いがあろうとそんな衝動買いみたいなことできるわけないですよね。理由も人それぞれ、これと決まったものはないでしょう。ただ、いくつか代表的と思われる気になっているのに手を出せない理由をあげるなら次の3つでしょうか。
- 前作未プレイや原作知らないで聴いても大丈夫なの?
- フランドール・スカーレットの設定やストーリーはどんななの?
- お値段が……
理由1前作未プレイや原作知らないで聴いても大丈夫なの?
まあ前作未プレイで聴いても楽しめるのかっていうのは、やはりシリーズものの常ですね。これについては月並みながら、前作未プレイだろうと原作知らなかろうと大して問題ないといった感じです。
週刊連載漫画だったら一週見逃したらもう話がすごい進んでるなんてなるでしょう。でも、この作品は良くも悪くもそこまで内容が詰め込まれているものではありません。フランドール・スカーレットとイチャイチャするだけと思ってくれて問題ないでしょう。なので前作を知らなくても別に気になるものではありません。
原作についていえば知ってようが知るまいが問題ないでしょう。原作の情報量はそんな多くなく、ちょっと調べればすぐわかる程度です。また二次創作作品なので設定以外はそんなに原作関係ありません。
理由2フランドール・スカーレットの設定やストーリーはどんななの?
二次創作作品が多すぎて、それぞれ好き勝手にやっているのででてくる不安ですね。今作におけるフランドールは正常性から一歩外れたところにいる存在でした。あどけない声色で甘く囁いてきますが、その台詞の端には生命の危険を感じさせるものが含まれています。
彼女自身は好きなものを壊してしまいたい、そんな衝動を持っていることを自覚しています。でもそれを悲観したり、抑え込んだりしていません。ただただ自分はそういうものだと理解しているといった感じです。原作の設定と矛盾もなくしっくりきました。
理由3お値段がはります。
まあ普通の同人音声作品が1000円で2時間程度と考えるとこの作品は半分の時間で倍のお値段ですからね。手を出しにくいっていうのはどうしようもないですよね。
丹下桜さんの演じるフランドール・スカーレットをフルに楽しめる。これだけでポンっと倍額払えるっていうなら悩みはしない。ならどうするか。
確かにフルプライスは辛い。けれど幸いなことにDLSiteでは発売からしばらくは割引をやってくれています。今回は20%OFFを4/19まで。更に常設で1割のポイント還元があります。元々の値段が高いので割引とポイント還元の恩恵は大きくなります。
たとえ期限を過ぎても割引自体はわりとやってくれることが多いのでタイミングを見計らえば随分とお財布に優しくなりますね。いつ、どのタイミングでくるかわからないので悩んでいるうちに割引の期限が過ぎたなんてことのないようご注意を。
まとめ
◆ 思わずオススメしたくなる3つのポイント
踏みとどまる理由を3つあげたので、今度は筆者が思わずオススメしたくなってしまったポイントをレビューしてゆきましょうか。といっても丹下桜さんの演じるフランドール・スカーレットが最高とかそういう当たり前のことを言っても仕方ないですよね。なのでストーリーを中心によかったポイントをあげてみます。
2.無邪気な少女としての姿
3.フランドールに想いを告げられる
ポイント1少女に生命線を握られることの快感
1つ目。フランドール・スカーレットはいわゆる正常とは一歩外れたところにいます。人間ではなく吸血鬼という種族としての差もありますがそれだけじゃない。大切なものでも思わず壊してしまいたくなる。そんなちょっとアンバランスな面を持っています。本人はそれを悲観したりせず、ただそういうものだと受け入れています。
そんな危うさを内に秘めるフランドール・スカーレットに気に入られたのが主人公(リスナー)です。作中では一緒に添い寝したり抱きつかれたりと一見するとただのイチャイチャものやんけってなりますが……。
気に入っている主人公(リスナー)ですらも思わず壊してしまいたくなるそうな。
まあ普通だったら「なにこれ、やだこの異常者。近づかないで」ってなるでしょう。でも相手は見た目こそ可愛らしい幼い少女。そんな子が好意と共に迫ってきたら。甘い声でありながら、背筋がぞわぞわくるほの暗い台詞回しで生命へ迫ってくるのです。とても興奮しました。
特にフランドールが何をどうして壊してくるかというのを語るシーンがあるのですが、そこがもうゾクゾクします。ほの暗くも甘い語り口調だけでも聞き入らずにはいられない。自分が壊されてゆくというのに、フランドールの好意ゆえの行動ということもあって、まるで彼女と濃密に交わってゆくかのような錯覚に溺れるかのようでした。
要約少女に生命線を握られることの快感。創作物だからこそ味わえる刹那的な快楽。それを十分に味合わえます。
ポイント2無邪気な少女としての姿
トラック1ではとにかく危うい発言を連発します。それこそ気に入っているから壊してしまいたくなってしまうとか、そんなことばかり。もちろんそこがいいというのもあるのですが、それだけで終わるようなこともありませんでした。
トラック2ではフランドールとあやとりをして遊びます。殺取とか殺鳥とかいう物騒なものじゃありません。普通のあやとりです。主人公(リスナー)の教えたあやとりを楽しむ様子は今までの危うさと打って変わってただただ可愛らしいものです。
他にもこちらを縛って耳に息を吹きかけての焦らしプレイといったいたずらをしてきたり。逆にフランドール自身が縛られてしまったり。そこには喜んだり、拗ねたり、照れたりと普通の少女としてのフランドールを存分にみせてくれます。どれも可愛い。
最初みたいな危うい関係がいいんだよって人もいるでしょう。でもずっとそれだけっていうのも物足りない。やっぱりたくさんの姿を見てみたいっていうのは当然の欲求ですよね。それには十分に応えていると思います。
要約緊張感溢れる付き合いだけじゃない。無邪気な少女としての姿もたくさんみせてくれます
ポイント3フランドールに想いを告げられる
ラストはフランドールに想いを告げられる場面があります。ここね、何がいいってフランドール・スカーレットらしさがとても表現されていると思います。
らしさなんて書いてますが、筆者は原作未プレイで設定や二次創作でちょっとかじった程度。そんな人が言っても全く説得力なんてないでしょう。それでも言わせてほしい。とてもそれらしかったと。
作中でフランドールは自分の強さをアイデンティティとしているのに、恋をして普通の少女のように弱くなってしまうことを不安に思ってる様子を語ります。その感じがなんともいえない説得力があったんですよね。丹下桜さんの演技力ゆえの説得力なのか、テキストのおかげなのか。どっちかはわかりませんけどね。
告白のシーンの感情の揺れ幅もまた魅力的です。これはもう丹下桜さんの独壇場といった感じでしょうか。好意や不安感、強さと弱さが見え隠れしながら一言一言を紡がれてゆく。可愛らしい声と圧巻の演技力が全部持って行ってしまってます。
要約丹下桜さんの演技は最高です

でもそれを差し引いてもこちらの気持ちを掴んで離さない。そんな魅力溢れる演技力は流石はプロといった感じだよ。
◆ まとめ
総評
原作の設定から外れることなく、それでいてフランドールの恋心というオリジナル性をきちんと出しているテキストはとても良いものでした。もちろん丹下桜さんの演じるフランドール・スカーレットだからこそ、ここまで魅力的になったともいえますね。
悪いところ:
ただまあお値段はちょっと高めなのは……。またファイル形式がMP3だけというのも勿体ないですね。お値段高いのだから、音質の良いWAV形式も同梱してくれてもいいじゃない? ってところです。
内容には不満がないだけに勿体ないところです。全年齢向けとはいえ、過激な行為が一切ない、なさすぎるっていうのは人によって良し悪しが分かれそうですね。筆者はなくても十分良かったと思います。でも、やはりもうちょっと何かあっても良かったんじゃないかという人がいても仕方ないとも思います。総じての感想としては個人的にはフランドールの危うさと可愛らしさにゾクゾクできたので満足の一品でした。